大判例

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最高裁判所第三小法廷 昭和25(あ)2325 判決

主 文

本件上告を棄却する。

当審における訴訟費用は被告人の負担とする。

理 由

弁護人衛藤隅三の上告趣意第一点について。

犯人の処罰は、憲法一四条にいわゆる人種、信条等による差別的処遇ではなく、

特別予防及び一般予防の要請に基いて各犯罪各犯人毎に妥当な措置を講ずるもので

あることは、当裁判所の判例とするところである(昭和二三年(れ)第四三五号、

同年一〇月六日大法廷判決)。して見ると、被告人の外に多数の同種の犯罪者が起

訴されず、従つて処罰を受けずにいるからといつて、そしてこれら犯罪者の中に被

告人と社会的身分や社会的関係を異にする者がいるからといつて、ただそれだけで、

いやしくも起訴公判に附されてこれが審理の結果被告人を有罪とした判決を目して

憲法一四条に違反するものと論断することはできない。従つて、論旨はその理由が

ない。

同第二点について。

食糧管理法が、国民全般の福祉のたあ、能う限りその生活条件を安定せしめ、そ

の生命又は生活を保障するための法律であつて、憲法の保障する国民の生存権を否

定するものではなく、憲法二五条の趣旨に適合する立法であること及び仮りに食糧

管理法の規定が同法の目的達成に相当でなく、従つて憲法二五条所定の生活権を擁

護するに充分でないとしても、かゝる主張は立法不備の非難たるに止まり、食糧管

理法をして違憲立法たらしめる理由となるものでないことは既に当裁判所の判例と

するところであるから

(1) 昭和二三年(れ)第二〇五号同年九月二九日大法廷判決(集二巻一〇号

一二三五頁)

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(2) 昭和二二年(れ)第三四二号同二三年一二月八日大法廷判決(集二巻一

三号一七一一頁)

(3) 昭和二三年(れ)第二八一号同二五年二月一日大法廷判決

これ等の判例を参照し、今これを改める必要はない、そこで論旨は理由がない。

同第三点について。

論旨援用の判例(昭和二四年(れ)第一八九〇号同二五年六月七日大法廷判決)

は、これを変更する必要を認めない。従つて論旨は到底採用することができない。

同第四点は刑訴四〇五条の上告理由にあたらない。

なお、記録を調べても、刑訴四一一条を適用すべきものとは認められないから、

同四〇八条、一八一条により裁判官全員一致の意見で主文のとおり判決する。

昭和二七年八月五日

最高裁判所第三小法廷

裁判長裁判官 井 上 登

裁判官 島 保

裁判官 河 村 又 介

裁判官 本 村 善 太 郎

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